月刊科学雑誌『子供の科学 2015年4月号』に登場したゾ!紹介された電子工作作品2点について解説をするゾ!
概要
誠文堂新光社から月刊で発売されている科学雑誌、『子供の科学』から取材を受け、特集されました!→科学雑誌『子供の科学』に登場したゾ!
紹介した電子工作の作品二点を解説しました。→『子供の科学』に登場した作品たちの解説
科学雑誌『子供の科学』に登場したゾ!
先日、部室で子供の科学の取材を受けました。
そして3月10日に発売された『子供の科学 2015年4月号』に掲載されました!
↑こんな感じで見開き1/3ページをつかって会話があります。もちろん白衣を着て取材を受けました。
当該記事は pp.60-62 伊藤尚未の電子工作ツアー 発見!未来のエンジニア 伊藤尚未 東京工業大学ロボット技術研究会 にあります。
私はこの取材で初めて『子供の科学』の存在を知ったのですが、ロ技研の他の部員たちはみなこの『子供の科学』を年間購読して育ったようです。
読んでみた感想ですが、どうやら『子供の科学』はいわゆる理科に属する分野の様々なお話を取り上げている雑誌のようです。
割りと高度なネタも取り上げられていて、私でも十分に楽しめます。
特に大学に入るまで知らなかった電子工作の仕方が書かれているのは驚きだ!
もっと早く『子供の科学』に出会いたかった……。
想定している読者は小学生高学年~中学生、そして子どもと一緒に読む大人、でしょうか。
値段も安く、特に2015年4月号は素敵な付録、「KoKa手帳2015*1」が付くのでみなさんもぜひ購入してみてください。
『子供の科学』に登場した作品たちの解説
記事に紹介されている作品たちの解説を以下にします。紙面の都合上、作品の詳細が省かれています。それを補うための解説です。
作品は2個紹介されています。一つ目は「はっぴぃばぁすでぃふぉみぃ」、二つ目は「8bit加算器 using オペアンプ」です。
解説その1:はっぴぃばぁすでぃふぉみぃ
名前の通り、自分一人で自分の誕生日を祝うための装置です。動作は以下の動画の通りです。
誕生日だからFM音源と自作LEDろうそくで自分を祝ってみた - YouTube
BGMはPICで制御されたFM音源チップで鳴らしています。FM音源チップ入手の経緯等は次の記事に書きました。
FM音源ガチャをやってきた - 幸福の物理
ろうそくはDフリップフロップとコンデンサマイクだけで構成されています。
Dフリップフロップの入力Dは予めHレベルに固定し、出力Qは赤色LEDを吸い込みで接続します。初期状態ではQはLレベルなのでLEDは点灯しています。
息をマイクに吹きかけると信号がDフリップフロップのクロック部分に伝わります。ある程度の信号強度になるとDフリップフロップのクロックが立ち下がったことになり、DがHレベルなので出力QもHレベルになります。するとLEDの両端が同電位になるのでLEDは消灯します。
つまり息を吹きかけるとLEDが消える仕組みです。
この装置は去年の11月12日*2にその場のノリでつくったものです。詳細はココに書かれている通りです。
FM音源はともかく、LEDろうそくは簡単に作れるのでぜひ作ってみてください。
解説その2:8bit加算器 using オペアンプ
オペアンプの特徴の一つ、コンパレータ回路(=不等式を電気的に扱える)を利用して作製したALUのようなものです。8bitの足し算が出来ます。実際のブツは次のスライドの4ページ右の写真になります。
全加算器は3つの2進数入力を足しあわせ、繰り上がりCと下1桁Sを出力します*3。これらを不等式で解決します。
繰り上がりCが1となるのは和が2か3となる時です。つまり「和が2以上であるか」を判別すれば良いのです。これはコンパレータ1個だけで実現できます。
下1桁Sが1となるのは和が1か3となる時です。つまり「和が0と2の間にあるか」または「和が3以上であるか」を判定すれば良いのです。前者はウィンドウコンパレータ回路、後者はANDゲートを作成すればよく、またはの部分はORゲートを作成すれば良いのです。小計コンパレータ4個で実現できます。
なぜコンパレータだけで加算器を作ってしまったのか。これには2つ動機があります。
一つ目はトランジスタで時計をつくっていた友人らに対する対抗心です。もともとトランジスタで作る予定だったのですが先を越されてしまったので*4オペアンプを使用することにしました。
二つ目は部室に大量にあったからです。ロボット技術研究会の部員は電子部品を概ねタダで使えるので*5、お財布と相談してオペアンプを使用することにしました。
└(՞ةڼ◔)」<『子供の科学』さん、ありがとうございましたァ~!