haphysics blog - 幸福の物理ブログ

みんなに物理と工作と幸福をお届けするのだァ~!

【AdC2015】物理数学:クリストッフェル記号の関係式

はじめに

 この記事はシリーズ「リーマン多様体上のラプラシアンを求めよう」の一つです。ラプラシアンの導出も合わせてお楽しみください。

 そもそもクリストッフェル記号ってなんだよ、という人はこちらの記事を参照してください。

今日のお題

 次の関係式を導出します。
f:id:shitaro2012:20151209211535p:plain

 ここで、gは計量テンソル\(g^{\mu \nu}\)の行列式を表します。

 導出には余因子の知識が必要になります。まさかここで余因子を使うことになるとは…。学部1年の頃の、線形代数学の講義を受講していた自分に伝えたいですね。

続きを読む

【AdC2015】物理数学:クリストッフェル記号の変換式

はじめに

 この記事はシリーズ「リーマン多様体上のラプラシアンを求めよう」の一つです。ラプラシアンの導出も合わせてお楽しみください。

 そもそもクリストッフェル記号ってなんだよ、という人はこちらの記事を参照してください。

今日のお題

 クリストッフェル記号の変換式
f:id:shitaro2012:20151210014510p:plain
を導出します。この変換式は共変微分係数の導出に用いた重要な式でした。

※参考

他の計算にもしばしば用いられる式なので有用性は高いです。

続きを読む

【AdC2015】物理数学:反変ベクトルの共変微分

はじめに

 この記事はシリーズ「リーマン多様体上のラプラシアンを求めよう」の一つです。ラプラシアンの導出も合わせてお楽しみください。shitaro-happy-physics.hatenablog.jp

今日のお題

 歪んだ空間での微分、共変微分の式
f:id:shitaro2012:20151210133525p:plain
を"導出"します*1

 真っ直ぐな空間では平行移動は簡単です。ベクトルの各成分をそれぞれ同じ値に保ったまま移動すればいいのですから。一方、歪んだ空間では平行移動すると基底が変化してしまいます。この基底が変化することを成分の変化に押し付けたのが共変微分係数の式のクリストッフェル記号に表れているのです。

*1:共変微分係数の定義式なので、「導出」という言葉は不適切な気もする。

続きを読む

【AdC2015】物理数学:リーマン多様体上のラプラシアン

今日のお題

 今回から5日間は次の式の導出に関する話題を取り上げます。
f:id:shitaro2012:20151209202038p:plain

 この式はリーマン多様体上のラプラシアン(Laplacian)、またはラプラス-ベルトラミ作用素(Laplace-Beltrami operator)と呼ばれています。

 この公式さえ知っていれば、例えば3次元極座標(球座標)のラプラシアンをその場で導出することができます。

続きを読む

【AdC2015】物理数学:ベッセル関数とFM音源

アドベントカレンダーとは以下略

 ロボット技術研究会でもアドベントカレンダーをやっています。そちらの方も合わせてご利用くださいませ。titech-ssr.blog.jp

今日のお題

 FM音源を数学的に解析します。具体的には、物理数学でよく出てくる特殊関数の一つ、(第一種)ベッセル関数を使って、最も単純な構成のアルゴリズムで生成された波形が倍音を持つことを示します。

続きを読む

【AdC2015】流体力学:連続の方程式

Advent Calendarというものを始めてみた。

 今日からクリスマスまでブログを更新し続ける、アドベントカレンダーというものがあると聞いて、早速はじめました。www.adventar.org

 実はロボット技術研究会でもアドベントカレンダーをやっています。というか誘われたのがきっかけで幸福の物理アドベントカレンダーを作りました。www.adventar.org

続きを読む

【レビュー】第89冊平成28年度版理科年表を購入しました!

平成27年度版から1年…

 早いもので、平成27年度版理科年表購入から1年が経ってしまいました…。そう、今年も理科年表レビューの季節がやって来たのです!shitaro-happy-physics.hatenablog.jp
shitaro-happy-physics.hatenablog.jp

続きを読む

真・東工大生のための恋愛学入門〜線形系に従う恋の行方〜

訂正

 行列式の計算が誤りであるというご指摘を受けました。これに伴い内容を大きく修正しました。ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。

Twitterで割と反応があった

 今週金曜日に東工大で「東工大生のための恋愛学入門」という、なんだかよくわからない講義がありました。受けてないので詳細はわからないのですが、どうやら数式は出てこなかったようです。

 で、恋愛"学"と聞いて真っ先に頭に浮かんだのがStrogatzの恋愛問題(Love Affairs)でした。

ストロガッツ 非線形ダイナミクスとカオス

ストロガッツ 非線形ダイナミクスとカオス

Twitterで上記の本から一部抜粋したところ割とTwitterで反応がありました。

 気になる人はぜひStrogatzのNonlinear Dynamics And Chaos(非線形ダイナミクスとカオス)を手にとってみてください。

もしも恋愛が線形系だったら

続きを読む

今日はしたろうの誕生日でした

今年も祝ってもらった

 物性物理学専攻の友人らから誕生日プレゼントをもらいました!ありがとう〜〜〜!
f:id:shitaro2012:20151113004728j:plain

今年も祝ってみた

 去年はFM音源ICでハードウェア的にハッピバースデートゥーミーしました。だから今年はソフトウェア的にハッピバースデートゥーミーしたいなあと考えました。shitaro-happy-physics.hatenablog.jp

 どうしようと考えていたら、こんなドキュメントを見つけました。jp.mathworks.com

 なんと、MATLABには「波形をそのまま鳴らす」関数があったのです!これはもう楽器ですよね。というわけでMATLABで音を鳴らそうと考えました。

 先週の日曜日を潰して実装したのが「MIDIファイルをパースする」関数と「パースしたMIDIデータに従って波形を出力する」関数です。

 実際にMATLABで実行した動画を以下に載せます。 サムネ
f:id:shitaro2012:20151113004802p:plain