【AdC2015】物理数学:クリストッフェル記号の関係式
はじめに
この記事はシリーズ「リーマン多様体上のラプラシアンを求めよう」の一つです。ラプラシアンの導出も合わせてお楽しみください。
そもそもクリストッフェル記号ってなんだよ、という人はこちらの記事を参照してください。
今日のお題
次の関係式を導出します。
ここで、gは計量テンソル\(g^{\mu \nu}\)の行列式を表します。
導出には余因子の知識が必要になります。まさかここで余因子を使うことになるとは…。学部1年の頃の、線形代数学の講義を受講していた自分に伝えたいですね。
導出
適当な大きさの正方行列Aを考えます。行列Aを第i行で余因子展開します。
ただし、\(\tilde{a}_{ij}\)は行列Aの余因子を表します。
上式の両辺を\(a_{ij}\)で微分します。
この両辺を座標\(x_k\)について微分します。
余因子行列と逆行列の関係式
を用いると、行列式を座標で微分したものは
つまり
となります。
さて、Aを\(g_{\lambda \alpha}\)、det(A)を\(g\)、\((A^{-1})_{ij}\)を\(g^{\lambda \alpha}\)にそれぞれ置き換えれば
となります。
これでもうほぼ導出できました。Christoffel記号
の添字について\(\kappa=\lambda\)として縮約をすると
となりました。これで目的の式が得られました。