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【AdC2015】物理数学:クリストッフェル記号の変換式

はじめに

 この記事はシリーズ「リーマン多様体上のラプラシアンを求めよう」の一つです。ラプラシアンの導出も合わせてお楽しみください。

 そもそもクリストッフェル記号ってなんだよ、という人はこちらの記事を参照してください。

今日のお題

 クリストッフェル記号の変換式
f:id:shitaro2012:20151210014510p:plain
を導出します。この変換式は共変微分係数の導出に用いた重要な式でした。

※参考

他の計算にもしばしば用いられる式なので有用性は高いです。

導出

 新しい座標におけるChristoffel記号
f:id:shitaro2012:20151210013738p:plain
を古い座標で表すことで、求める式が得られます。右辺のカッコ内にある、古い座標における計量テンソルの座標微分に着目します。

 計量テンソルの変換式
f:id:shitaro2012:20151210011538p:plain
の両辺を新しい座標で微分します。
f:id:shitaro2012:20151210011814p:plain

 同様にして
f:id:shitaro2012:20151210012006p:plain

 これらにより、新しい座標におけるChristoffel記号の右辺カッコ内部の項が揃いました。右辺カッコ部分の通りに計算すると
f:id:shitaro2012:20151210012126p:plain

 ここで、両辺に計量テンソル(2次反変テンソル)の変換式
f:id:shitaro2012:20151210012229p:plain
をかけると
f:id:shitaro2012:20151210012826p:plain
つまり
f:id:shitaro2012:20151210013026p:plain
が得られます。

 特に、二階微分を左辺にすると、目的の式
f:id:shitaro2012:20151210013256p:plain
が得られます。