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【AdC2015】物理数学:級数展開の一意性

今日のお題

 二階常微分方程式
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を解く方法の一つとして、級数解法(フロベニウスの解法)があります。

 この方法は、関数が級数展開によって記述できることを利用したものです。つまり、解が
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の形でかけると仮定し、微分方程式を満たすように係数を決定する方法です。

 この解法で個人的に気になっていたのが一意性です。一つの関数に対してその級数展開はいろいろありそうじゃないですか。今回示すのは、その心配は必要ないというものです。

証明

 関数f(x)が二通りの級数で表されると仮定する。
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 つまり
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 ここで、x=0とすれば
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 両辺の級数をxで微分すると
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 ここで、x=0とすれば
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 以下、同様の手順(両辺を微分してx=0を代入する)を繰り返すと
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 よって、f(x)の二つの級数表示は同じである。したがって、関数の級数展開は一意である。