電気ブランを飲みに徒歩で目黒駅から浅草駅まで行ってみた
B日程の副産物
院試の筆記試験1週間前辺りからなぜか明治、大正文化について興味を持ってしまった。その中に「電氣ブランデー」「神谷のバァ」というキーワードを目にした。院試終わったら電氣ブランを飲むということをその時決心したのだった。
タイムリミットは2時間
父親と次の日曜日に神谷バーへ行くことを誓い、一週間経った今日、浅草駅を目指すのだった。東京観光を兼ねて徒歩で行こうと決めたのが14時。集合時間は17時だったので間に合うか賭けにでた。目黒駅に14:59到着。残された時間は、2時間。
ルート
ここでルートを確認しよう。目黒駅から浅草駅までを黒い線で結んだものが図1である。
図1.目黒駅から浅草駅までを記した地図
道順は実に単純である。下記の順番で歩けばよい。
問題は時間である。2時間以内に行かなければならないのだがグーグルマップによると2.5時間かかるとのこと。
1時間で銀座を通過することを目標に、できる限り早歩きで進むことにした。
目黒駅から三田駅まで
図2.目黒駅から三田駅までの軌跡
1.目黒駅周辺でさんま祭が行われていた。周辺にはさんまの焼ける煙と匂いが立ち込めていた。急ぎの用事でなければ参加したかった。
図3.目黒のさんま祭
2.慶応義塾大学に大きく立派な建物があった。このあたりが一番東京タワーが大きく見えた。雨でなければもう少しはっきり見えたのだが。
図4.慶応義塾大学の謎の建物
三田駅から銀座まで
図5.三田駅から銀座までの軌跡
3.第一京浜を沿ってひたすら歩くと旧海岸通りにぶつかった。ここらへんは海抜3mらしい。昔は海だったのだろうか。
図6.旧海岸通りと第一京浜が交差する
4.目標通り、1時間ちょうどで銀座に到着した。銀座に入った途端、飛び交う言語が中国語に変わった。
図7.銀座三越前
銀座から浅草駅まで
図8.銀座から浅草駅までの軌跡
5.人生で初めて日本橋に来た。小説、ドラマ、アニメ、浮世絵など多くの作品で登場するので一度は足を踏み入れたい場所だったので感動した。感動のあまり視界が聞かないほどの大雨になった。ここらへんで傘が役に立たなくなった。
図9.日本橋
図10.日本橋親柱の獅子
6.駒形橋あたりで約束の時間が来てしまった。やはり2時間で約12kmを踏破するのは無理であったか。スマホのバッテリーが尽きてしまったのもここだ。
図12.アサヒビール本社と東京スカイツリー
7.結局、浅草駅には17:07分に到着した。日本橋あたりで少し道に迷ってしまったのが悔やまれる。機会があれば今度こそ、2時間を切ろう。
図13.浅草駅正面
神谷バーでデンキブランを飲む
家族を少々待たせてしまったがデンキブランもまた私たちを待たせているのだ。小雨の中、いざ神谷バーへ。
図14.神谷バー
週末のためか、入店まで20分ほど待たされた。店内に入った我々は迷わず電気ブランを注文した。しばらくして運ばれてきた琥珀色のそれは、かねてから待ち望んでいた電気ブランであった。
図15.美しい琥珀色に輝く電気ブラン
そっと一口含む。舌先から痺れる刺激とほんのりとした甘さが伝わってくる。ゆっくりと飲み込むと鼻から香りが抜け、喉を熱する。嗚呼、1世紀前の日本人も同じ体験をしたのだろうか。これをハイカラと呼ぶのだろうか。
父親は電気ブランオールドを注文した。飲み比べてみて驚く。オールドはとても濃いのだ。液体なのに違和感を感じさせるそれはソフトマターと呼んでもいいのではないだろうか。しかしこれは飲みきってしまうと腰が抜けてしまいそうだ。私はそっとそれを父親の元へと返した。
図16.左が電気ブラン(アルコール度数30)、右が電気ブランオールド(アルコール度数40)
合宿か研究室に持っていく?
神谷バー1階で購入したはいいが、とても一人では飲みきれそうもない。近々サークルで合宿が行われるのでその時に持って行こうか。それとも研究室に置いておこうか。いずれにしても文明開化で心踊る当時の人々に思いを馳せながらゆっくりと飲みたいものである。