haphysics blog - 幸福の物理ブログ

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コロキウム第一を完全制覇した

SASUKEでいう2ndステージ的な

今日、コロキウム第一が終わりました。
前日まで宣伝したためか多くの聴衆が集まってくれて発表のカイがありました。
また、発表後にも様々な反応が得られたので嬉しかったです。

コロキウム第一って?

物理学科4年前期の必修科目です。
7月頭くらいに同じ専攻の4年生の前で論文を10分程度で紹介するというものです。
目的は学会発表のデモンストレーションです。
論文の読み方、10分程度で端的に人に伝える練習、とこの先生き残るために必要なスキルを強制的に修練することができます。

私の発表内容「生細胞内で見られた強い異常拡散」

コロキウム第一で私がさっき発表した論文は
Phys. Rev. E 81, 020903(R) (2010) - Experimental evidence of strong anomalous diffusion in living cells
です。journals.aps.org

これはガン細胞にビーズを埋め込んでビーズの軌跡を追ったら強い異常拡散を示したという内容の論文です。
生細胞内の拡散は従来でも数多くの研究がなされていましたが、それらは平均二乗変位で拡散を評価していました。
今回紹介した論文は平均二乗変位で拡散を評価するという従来の手法だけでなく、8次の変位モーメントまで考えることでより詳しい拡散の様子を解析しています。

非平衡物理学が生命現象に切り込んでそのブラックボックスを解明するという研究があることを知ることができてとても有意義でした。
生命の複雑な構造や機能を物理学で記述できたら、それは幸福になれそうです。