読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

幸福の物理

みんなに物理と工作と幸福をお届けするのだァ~!

【東工大物性実験研究室見学一日目】表面物理の表面に触れた!~電子線回折~

概要

 物理学科の友人らと夏の談話会でお会いした平原先生の研究室を見学した。そこで電子線回折の実験を体験した!

研究室見学のきっかけは「夏の談話会」

 今年の7月17日に夏の談話会がありました。(参考:物理学科 夏の談話会に参加した - 幸福の物理)この談話会のおかげで平原先生と表面物理に出会うことができました。今年から東工大に引っ越してきたとの事なのでいったいどういう研究をしているのだろうと我々は興味が湧きました。だから談話会終了後のビアガーデンにて、友人らと研究室を見学したいと伝えました。すると快く承諾してくださいました!これにより今回の研究室見学が実現したのです。

f:id:shitaro2012:20140916225531j:plain
↑これは夏の談話会後のビアガーデンにて、村上先生にサインをして頂いた『スピン流とトポロジカル絶縁体 ―量子物性とスピントロニクスの発展― 』という本です。平原先生の粋な計らいによりサインを頂くことが実現しました。夏の談話会の思い出の一つです。

電子線回折実験

実験装置

 見学、というか実験の体験は2日に渡って行われます。今日は電子線回折実験をしました。

 実験の概要は「試料に電子を当てて回折像を観察する」です。

f:id:shitaro2012:20140916231154j:plain
 このゴテゴテしている装置が今回用いた実験装置、「光電子分光装置」です。*1この装置には電子銃と真空ポンプが接続されています。使用するときには10^(-11) Torr程度の真空度を作らないといけないそうです。

 装置の中には試料として純度の高いシリコンが設置されています。今回の実験ではこのシリコンやシリコンにビスマスや銀を蒸着させたものに電子を当てることで生じる回折像を観察しました。

シリコンを綺麗にしよう

 実験する前にフラッシングと呼ばれる操作をしました。フラッシングとはシリコンに電流を流して過熱することで表面に付着したゴミを取り除く操作のことです。曰くフラッシングにはいろんな流派があるとかないとか。以下の写真はおよそ1200Kで3秒ほど加熱しているときの様子を撮影したものです。熱そう・・・。
f:id:shitaro2012:20140916232921j:plain

逆格子を完全に理解した!?

 実験をする前に、どんな回折像が得られるかを逆格子を用いてみんなで考えました。といっても我々は固体物理学をまだ学習していません。わずかなヒントを頼りにみんなで回折像を作図しました。
f:id:shitaro2012:20140916231903j:plain
↑みんなと作図しているところ。本当にこんなので回折像が分かるの?

 キーワードは逆格子エバルトらしい。家に帰ったらチェックだ!!

理論と一致した!

f:id:shitaro2012:20140916232153j:plain
 さあ、実験で回折像を見よう!写真は実験装置を操作している私です。手元のコントローラーで磁場を操ることで電子銃から出射した電子を試料に当てようとしています。

f:id:shitaro2012:20140916232347j:plain
 じゃ~ん!これが7×7の結晶の回折像だ!暗くするとよく見える?
f:id:shitaro2012:20140916232354j:plain
・・・う~んもうちょっと綺麗に見えたんだけどなあ。CCDカメラで撮影したきれいな画像はSi (111) 回折像 - Google 検索で検索するとみることができます。
 ナニハトモアレ我々が作図したものと一致しました!やったね!

 ちなみにシリコンで実験した後、ビスマスと銀をそれぞれ蒸着させて回折像の変化を観察しました。
f:id:shitaro2012:20140916233142j:plain
最初にビスマスをシリコン表面にくっつけました。コックを開けるとビスマス汁がブシャー!
f:id:shitaro2012:20140916233145j:plain
ビスマス蒸着での回折像を確認した後、フラッシングでビスマスを取り去ってシリコンを綺麗にしました。そして次に銀をシリコン表面にくっつけました。試料を使いまわせるのは経済的でいいですね。√3×√3という一見すると謎の結晶の表面を見ることに成功しました。

次も楽しみ

 次回の実験見学は18日です。表面を見るだけで中身が分かる、面白いですね。人も見た目で決まるのかしら?次回が楽しみです。

└(՞ةڼ◔)」<回折回折ゥ~!

*1:本当はもうちょっと長い名前だったけれど忘れてしまった。