【したろう夏のサマーチャレンジ2014】サマーチャレンジ4日目!
今日は施設見学ツアー!
サマーチャレンジ4日目の今日はKEKの有する施設の見学ツアーでした。どの施設もスケールが大きくて迫力がありました。この超弩級実験装置で測定するのはミクロスケールの世界。この分野は両極端のスケールを同時に堪能できて一粒二度美味!
KEK筑波キャンパス
午前中は筑波キャンパス内部にある三つの施設をまわりました。
KEKB加速器
外周数km程度もの大きさのある加速器の一部を見学しました。電磁石がいくつも連結されていたのが印象的です。四重極電磁石を作ってみたいと感じてしまった。サマーチャレンジが終わったら家にある大量の銅線で作ってみようかな。
↑青い装置は【したろう夏のサマーチャレンジ2014】サマーチャレンジ3日目! - 幸福の物理で風景写真として取り上げたものでした!ここに使われているか!
↑Belleという加速器の一部。小林・益川理論によってBelle IIへとアップグレードしている。そのため現在不要になったものがここに置かれている。
フォトンファクトリー
シンクロトロン放射光を利用して、基礎物理だけでなく生命系や物性物理などさまざまな研究に使用されている施設とのこと。建物内部は大きな楕円形でした。
↑東京工業大学理学部物理学科3年前期ならば必ず行う真空実験の経験と知識が例えばこうした現場に応用されている。アルミ泊で覆われているのは装置全体をベーキングするため。こうすることで全体をむら無く過熱することができて、高い真空度が得られるというワケ。
↑タンパク質の結晶を観察する装置。資料の交換を自動化することで効率化が図られています。
Belle II
小林・益川理論により更に高精度な実験装置が要求されることとなった。これが現在BelleからBelle IIへとアップグレードしている理由です。
↑装置全体は大きく、存在感を放っています。でもこれ、ちょっと見覚えが・・・。
↑とあるフジテレビのドラマ「ガリレオ」のロケ地として使用された場所でした。
↑エアロゲルという乾燥して脆い物質をもらいました。ボロボロに崩れたエアロゲルを吸い込むと肺にダメージを与えるために取り扱いには気をつけばならないとのこと。
KEK東海キャンパス
昼食後、バスで一時間半ほどで到着。この東海キャンパスにあるJ-PARCの施設を三つ見学しました。
↑J-PARCを見学するにあたり与えられた道具など。
物質・生命科学実験施設(MLF)
強度の大きなミューオンと中性子ビームを発生させて物質物性や生命科学の研究をする施設。現在メンテナンス中のため、空調を切っての作業でした。
個人的に気になっているのは超低速ミューオンによる物性研究です。ミューオンといえば宇宙から絶えず降り注ぐ粒子でいろいろな物質を貫通するイメージでした。しかし、この超低速ミューオンは例えば小判を貫通せずに、したがって小判の物性を研究できるとのこと。素粒子が物性物理学に役立つ可能性が大いにあることに興奮しました。
ニュートリノ実験施設
この施設では神岡に向かってニュートリノを飛ばすT2K実験を行う施設です。実は東京工業大学には宇宙地球科学基礎ラボ2 - TOKYO TECH OCWという夏休みに巡検をするという講義があります。私は大学一年生のときにこの講義を受講し、神岡鉱山でスーパーカミオカンデやカムランド、カグラを見学しました。そうです、ついにニュートリノが出発するところと到着するところを見学することができました!やっとつながった!
↑ここから地中にニュートリノが打ち込まれ、約300km先の神岡鉱山へとニュートリノが飛び立っていきます。
↑この実験装置、こんなに深く埋め込まれてます。覗きこんだら吸い込まれそう。