【新歓展示反省】Merritt et al. 4-coil~イチヨウは作れる~Final.
新歓展示だァ~!
昨日と今日の二日間行われたロボット技術研究会新歓展示に参加しました!たくさんの見学者とお話できて楽しかったです!運び出しと準備を手伝ってくれた後輩、見学してくれた方々、本当にありがとう!
↑自分の作った作品たちを説明しているところです。(撮影者:友人)
一見すると成功したようだが、その真意は……。
巻いたZE☆
フレームができあがったので、あとはエナメル線をひたすら巻くだけです。今回使用したエナメル線はPEWΦ1.0mmです。
↑3つのフレームの内、中段部分を巻いているところです。写真に写っている部分だけで約500mのエナメル線が巻かれています。
↑計700mものエナメル線が巻き終わりました!時間にして5時間ほど。途中巻き方のコツを掴んだので巻く速さが向上しました。単純作業あるあるですね!
トラブル
始まる前から既に終わっていた―――。
巻いた後、電源装置につないで愕然としました。漏電してるッ……!
原因はエナメル線の皮膜の剥離でした。何層にも巻きつけられたエナメル線により内側方向に力が働き、そのために柱の角と接触している最も内側のエナメル線の皮膜が綺麗に剥けたと考えられます。
この被膜剥離現象は全ての層のコイルに生じていました。手が切れない程度の角でも皮膜は破けるのね……。
しばらく考えた後、巻き直しを決意しました。
↑THE・修羅場。この悲壮感こそが実験の醍醐味なのよね。
敗北
結局、漏電した部分の修正は間に合いませんでした。ひとたび巻きつけられたコイルを外すとエナメル線が絡まり、それを解くのに多大なる時間と労力を要するために修正がかなり難航したためです。う~ん……あの時ちゃんと柱の角をとっておけば、あの時エナメル線の接触部分を絶縁すれば……。後悔は絶えません。
反省点
結果的には失敗に終わってしまったコイルづくり。理論と実験の狭間にある壁を感じました。ただ、春休みを使ってのコイルづくりを通して幾つかの反省点を発見することができたので、その点では実験は“成功”であると言えます。
反省点は以下の通りです:
- エナメル線の皮膜は意外に脆い。バリ取りだけでなく角の面取りも行え。
- 電気は漏れる。電線と接触する部分は絶縁せよ。
- ネジをしめる順番が辛かった。実際に組み立て・分解をしているところを思い浮かべながら設計せよ。
- デカイものほど許容誤差が大きくなる。作る対象のスケールサイズに合わせた加工誤差を考慮せよ。
これから
中井浩二(2007)『実験の作法と安全』吉岡書店,p49「12 失敗を許す環境」にこんな言葉が書かれています:
実験に失敗はつきものである。失敗を恥じることはない。
今回の実験は失敗をしたのではない。この方法ではうまくいかないという発見をしたのだ。と、ある偉い人が言ってました。
反省と経験を活かしてこれからも実験道具作成に取り組んでいきます。とりあえず今年10月に行われる工大祭でリベンジ……かしら。
当面はかなり放置していた電磁気学的シューティングゲームの開発(参照:物理を感じるシューティングゲーム制作、始めてました - 幸福の物理)を優先して着手していきたいと思っています。
└(՞ةڼ◔)」<失敗は幸福の素ォ~!